桐山和雄(香川県城岩町立城岩中学校三年B組男子六番)


この物語の主人公です。
彼は原作では「一切の感情がない」とされていますが、ここでは僅かながら
も感情を持ち、それを表現する手段を知らない人として書きました。
原作で充を殺した後にこめかみが疼いていた描写(おそらくこの部分に感情
を司る器官が存在した)を見ても、桐山が冷徹な殺人機械であると断言する
ことは出来ないのではないかと思います。

生き残った後に、彼が何を思うのか。
決して自分が生き残ることを望んでクラスメイトを殺したのではない、
そんな桐山の迷いのようなものを書きたくてこの話は出来ました。

幼い桐山
月満ちる直前の胎児期に母親もろとも事故に遭い、瀕死の重傷を負った
ものの、高名な医師の手術により生還。
実父の死後は桐山財閥の総帥の養子となり、特殊教育を施され、世界中
のありとあらゆる知識を吸収、優れた身体的能力を開花させる。
一方で事故の際に抉り取られたほんの微細な神経細胞の欠損により、
およそ「感情」というものを持たない人間となった。

内臓に損傷を受けるほどの過酷な訓練や投薬、改造手術など常人では
耐え切れない教育を受けるが、感情を持たぬ故に唯々諾々と従う。

プログラムにおいては、既に十分すぎるほどの戦闘訓練を済ませていた為
非力なクラスメイトたちを十数人も手にかける。
原作では中川典子の銃弾に優勝直前で敗れ去ったが、ここでは「桐山が
生き残った」と仮定して彼が辿るかもしれなかったプログラム後の未来を
書いた。



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