わからなかった事。
ずっと、知りたいと思っていた事。
知ろうとしてもわからなかった事。
ずっと、ずっとわからなかった事。
わかるのはいつだろうか。
もう、苦しまなくて、いいのよ?
あなたを自由にしてあげる。
あなたを、終わらせてあげる。
でもあたしはあなたをずっと覚えているから。
何度も、何度も思い出すから。
わからなかった事。
中川なら、教えてくれる気がした。
理由はわからないけれど。
中川といると、何だか懐かしい気持ちになったから。
きっと俺に足りなかったものを、中川は持っていた。
ずっと、俺が必要としていたもの。
中川なら、俺に与えてくれる気がした。
どうしてか、そんな気がした。
でも、
もう、終わる。
でももう一度、中川と話したかった。
中川に訊きたかった。
中川は、俺に足りなかったものを持っていた。
どうしたら。
俺はそれを手に入れる事が、出来るのかな?
わからなかった事。
知りたいと思って居たこと。
わからないまま、
終わってしまうのかな。
あなたを、終わらせてあげる。
それであなたは自由になるのね。
でもあたしはあなたを覚えてるから。
あなたが苦しんだこと。
あなたが痛かったこと。
全て。
あたしの知る限り、全てを。
俺は亡くしてしまった。
多分、ずっと、ずっと前に。
俺には、何も無かった。
すっと前から。
何も無かった。
必要としていたもの。
俺には与えられなかった。
でも。
わからなかった事は、わかった。
そんな気がするんだ。
中川は。
終わらせてくれた。
俺が必要としていたもの。
中川が持っていたもの。
最後に、与えてくれた。
中川。
俺はやっとこれで自由になって。
やっと。
これで。
おわり
この文は桐山を救う典子サンを書きたかった、それだけなんです。
なんか私の書く桐山は偽すぎて既に別人ですね。
原作から一人歩きしていますね。ただ、私は桐山が苦しんでいたのは事実だと思うんです。
解放してあげる人が現れるまで、彼は最後まで苦しんだのだと。
典子サンがちゃんとした意志を持って桐山を解放するために殺した、そんな話を書いたのは初めてです。
2003年1月
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