3.受容 あとがき

 読んだ方はお気づきかもしれませんが、この小説は「苺月夜」で2002年に掲載したURL申請小説「カウントダウン」「濡れた揺りかご」「しなやかな腕の祈り」を再編したものになっています。

 URL請求にしたくらいです。この内容が全ての人に受け入れられるとは思っていません。むしろ、どんな「過去」を持っていたとしても、この作品の中で桐山が典子に対して行ったことは許されるべきではないと思っています。

 でもこれは、原作の世界ではない、このサイトだけの設定なので。
ここのサイトでは、典子がそうした桐山の「罪」を受け入れるだけの器を持った人物として、4年間書いてきたので。
 もう原作を外れた世界なのだから、この二人にはこうした形で幸せになって欲しいと私は考えました。
 普段はシリアスもギャグも書く私ですが、桐典に関しては「おふざけ」が出来なかったみたいです。だからこそ書いていてすごく辛かった分思い入れもすごくある。

 桐山と典子の小説は、日常を書いているときはとてもとても楽しくて、シリアスを書いているときはとてもとても悲しかった。
 結末を知っているだけに幸せな話を書きたかった。
 何を書いていても、原作の桐山は死んでしまっているという事実があって、その事実に耐え切れなくて小説の更新を止めたときもありました。
 でもたくさん悩んだ結果、「原作」では二人の接点はほとんど無く、桐山の心理状態も少ない描写から読み取るしかないと割り切ることが出来ました。

 2002年に書いた作品については、閲覧者様から賛否両論の声を頂きましたが、一番多かったのは「桐山と典子のすれちがいが悲しい」というもので、私自身もそう考えました。桐山の心の闇は、彼を真に理解しようとする人がいなかったところから始まったと私は考えています。


 そして、「苺月夜」を閉鎖するとき、最後くらいはこの二人に「救い」をもたらしたいと考えました。
 原作で桐山の最後を看取った典子に、私は桐山のことを覚えていて欲しい。そして、それを乗り越えて生きて行って欲しいと思っています。典子には、それだけの強さがあると信じています。

 この作品は、苺月夜で2003年に相互リンクしていただいた電光流マツタケ様のイラストを元に思いつきました。
 桐山に手を差し伸べる典子が、私の理想です。

 ここまで読んでいただき、ありがとうございました。